富士と折り紙

父の思い出

好きなもの

父は12月27日、母は2月24日、妹は8月22日が祥月命日なので、月命日は月の後半に続けてやってくる。それぞれの好物や得意料理を食卓にのせることにしている。父なら鰻、ステーキ、お多福豆など。おつまみなら、数の子カラスミが好きで、ふきのとうの味噌和えは、刻んだ生のふきのとうを、味噌と多めのハチミツで和えたもので、父が自ら作り方を教えてくれた。肉は何でも好きで、味付けもこってりと濃いめが好き。朝ごはんにはいちごのジャムパンやアップルデニッシュやあんぱんを、バナナとりんごとにんじんのフレッシュジュースと、カップヨーグルトが定番だった。母は、淡白で薄味の、おでんや豆腐、果物を好んだ。でもなぜか、豚のスペアリブの煮たのは好きで、妹がよく煮てあげていた。妹は、歯応えのあるものや熱々のものが好きで、貝類、特にトリ貝とかアワビとかのお刺身、豚のナンコツとか。キャラブキとウィンナーも好きだった。得意だったのはナポリタン、ミネストローネ、巻き寿司、いろんな煮物とか、お弁当、のり弁とか、松花堂とか、入れ物からメインはもちろん、付け合せまで手作りでお弁当屋さん顔負けに作ってくれたっけ。父と2人の昼ご飯に作ったりして、料理には極力手をかけない私には考えられない労力だと思うのに、楽しんでやっていた。私には作れないものばかりで、ナポリタンとミネストローネは作ってみるけれど、妹の味には近づけない。

おやつだったら、父はチョコレートの『メルティキッス』や『神戸ショコラ』、ビスケットのアソートとか、アイスクリーム、草餅とか大福なんかもよく買って食べた。母は、ドライマンゴーとか干し杏、ドライフルーツたっぷりのフルーツケーキなどが好きだった。妹は辛党で、間食もあまりしなかったが、おつまみなら、ホタテ貝ひもとか、QBBチーズ鉄分入りをいつも食べていた。という訳で、実家の祭壇にはいつもこういったお菓子やおつまみが並んでいる。

スーパーやお店で、いつも、父や母や妹の好きなものを探すのが習慣になってしまい、見つけると買いたくなる。もっともっと買ってあげたかった。今ごろ、みんな何でも好きなだけ食べてるのかな、と思うけれど。